2015年5月16日土曜日

木造の防耐火設計

今日は「木の建築フォラム」の研修会に出席してきました。
今年の目標は 建物の「防耐火」を極めること。

今まで 木造住宅は防耐火にはなじまないと考え 半ばあきらめ半分でした。
内装に木を使いにくくなったりして 自由がきかない感じがしていました。
外壁には 火にとても強い「パワーボード」を使っているので 隣家からのもらい火を防げれば それが防耐火を考慮している位に思っていました。
木造で最近行われている 「省令準耐火」も木をたくさん使いたいというのを理由にあまり真剣に取り組んでは来ませんでした。
しかし、火災は恐ろしいものです。
どんなに気をつけていても間違いは起こります。
万が一にでも家の中で火災が起これば、人命にも関わりますし、大切な様々な財産を失ってしまいます。
それを守るのも建築家の重要な使命だと思います。
中途半端な知識で中途半端な設計をするのではなく きちんと勉強をして自信を持った設計をできなくてはならないと思いました。

私は木造建築の中心的な組織「木の建築フォラム」に若いときから入っています。
そこで、木造の防耐火の集中的な勉強会が行われることをしり参加しました。
講師は安井先生です。日本で一番建物を燃やしている先生らしいです。理論だけの方ではなく最先端の情報を持ちながら実際に実践されている先生を見つけることが重要です。長い間の経験でわかってきました。評論、研究だけの先生は、どこかずれていることがありますよね。

今日が初めての勉強会だったのですが、とても良かったです。様々な実験映像を見ながらどのようなことが重要か。どんな燃え方をしていくのか。法的なことなども学びました。
私は地域の消防団に19年入っていて分団長までさせていただきました。たくさんの火災現場に行って消火活動をしてきましたのでどんな燃え方をするか知っているつもりでした。火災の恐ろしさも十分しっているつもりでした。
しかし、燃え始めは見たことがありません。消防が駆けつけるときはすでにたくさん燃えているときです。今日の映像は燃えはじめや火の伝わり方、燃え抜けがどのようにしていくかなど、初期の火災のものです。
建物の防耐火は 初期の火災が需要です。安全に避難することが最重要です。
燃え広がり方を知っておくことはとても重要なのです。

木造は ほかの構造に比べて燃えやすくて危険というイメージがあります。
しかし、そうでもないと言うことがわかりました。
作り方を工夫することによりとても安全性は高くできます。
むしろ鉄筋コンクリート造のような火災に強いとされる建物でも 内部の仕上げなどによりとても危険になると言うことがわかりました。
その違いによる映像もとても衝撃的でした。鉄筋コンクリートの耐火建築物でも小さな火種で わずか30秒でフラッシュオーバーになってしまうことがあります。内装をすべて杉板を貼っている建ものでもきちんと感が得られていればなかなか燃え広がりません。

近年では、大規模な公共の建物や学校でも木造で建てられるようになってきました。
今年あたりは木造の高層建築も可能になるようです。
木造が作り方によってはとても火に強いと言うことがわかってきた証だと思います。

私もこの集中講座で木造の防耐火技術を身につけ高層の木造にチャレンジしてみたいです。
まずは、できるだけ火災に安全な建物を作っていこうと思います。

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