2013年5月20日月曜日

省エネ建築の作り方

住宅の省エネ化のためには、様々なノウハウが必要です。
そのノウハウを結集してエネルギーを使わない住宅を造ります。
省エネの度合いを比べるのに 暖房負荷、冷房負荷、Q値、C値、一次エネルギー消費量などがあります。それを計算した結果シートです。

Q値は住宅の床面積あたりの断熱の能力のみを表す指標です。立地条件や、間取りでは変わりません。どこに建てても、南向きであろうが無かろうが変わりません。
C値は隙間を表す数字です。隙間の多い家では断熱の性能が上がりませんし、計画換気がうまく出来ません。
暖房負荷、冷房負荷は 一定の温度を維持するのにどのくらいのエネルギーを使うのかが現されます。冬は20度 夏は27度で計算してあります。同じ断熱仕様で建てても間取りや、立地条件、窓の付け方、建物の方位などで大きく数字は変わっていきます。
次に 一次エネルギー消費量ですが、先ほど計算した暖房負荷や冷房負荷、お風呂などの給湯エネルギー、照明などのエネルギーなど生活する上で必要なエネルギーをどの様な機器で消費していくかを考えて計算します。お湯を造るのに 太陽熱を使うのか、ガスなのか、灯油なのか、エコキュウトなのか?その機器の効率はどのくらいなのか。冷房するエアコンは、どのくらいの性能なのか。そういったデーターを入力し実際に消費するエネルギーです。電気は発電時のロスや送電のロスなども考えて計算します。

このように、建物の性能といっても どのことを比べているのか理解して比較する必要があります。
私は 暖冷房負荷が一番重要だと思っています。
そこに建っているその建物が特定され、どのくらいエネルギーを使うのかが比べられる指標だからです。
一次エネルギーも重要ですが、建物の性能が低くても 高効率のエアコンさえ入れれば、使うエネルギーが少ないという考えは良くないと思います。
なぜなら、エアコンなどの機械は、頻繁に買い換えが必要ですし、エアコンで無理矢理暖めた空間は、快適とはほど遠い物です。温度むらや、室内温度と輻射温度の差が大きくなります。

快適な建物を造るには、一棟一棟、条件の違いを考慮しながら計算をし、確かめる必要があります。ちょっとしたことが大きな違いを生むことになります。それらを確認するためにも、計算しシミュレーションすることが重要です。

この建物は、パッシブハウスの一歩手前ですが、かなり快適な空間になるでしょう。
暖房負荷が20kW/㎡を切っています。
太陽光パネルも9.6kW載っていて完全な0エネ住宅,LCCM住宅でしょう。
この性能の住宅が、大手ハウスメーカーの普通の住宅より安いとしたらいかがですか?


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